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刑務官を志す人へ 3   [公務員]

「我こそは」という熱い情熱に期待

 

私はそうなることも覚悟していました。私が上司の立場だったら同じように評判の悪い職員は他の職場に異動させたと思います。今にして思えば私のような部下を持った上司にお詫びの一言でも言いたいところです。上司も立場上、さぞかし困ったことだろうと思います。「評判が悪いから異動してくれ」なんて思っていても言えないでしょうから。そこで同然のことながら、当たり障りのないことを理由にして異動の内命を受けた次第でした。

 

その内命を受けて私はそれを率直に受け入れました。しかし、それを拒否することもできたのではないかという思いもそのときありました。すなわちそこで私の思いを爆発させて問題提起することも考えました。

 

しかし私は、それをしませんでした。それは、そうなることを予測して準備していなかったということに加えて、私には他の職場を経験したいという思いもあったからです。

 

さまざまなことがあって〇〇年勤務した施設から他の施設へ異動することになりました。新しい職場は施設の規模が極めて大きかったこともあってその執務環境は極めて厳しいものでした。

 

受刑者の数が前施設と比べるとはるかに多かったこともあって、その一人一人に対する定期的な投薬業務は極めて大きな負担でした。一人の職員が受け持つ受刑者の数もさることながら、定期投薬を受ける受刑者の数もかなりのものであったために夜間勤務に入る前に医務から渡された定期投薬者の薬を効率的に投薬できるように舎房(受刑者の部屋)順に並び替えなければなりませんでした。

 

しかし、舎房が変更になることもあるために投薬は必ずしもスムーズには行えませんでした。投薬直前になってあるべきはずの薬が見当たらず大騒ぎになったこともありました。前施設では投薬はすべて医務の職員が担当していました。そのためその業務の負担の違いは比較になりませんでした。その他にも様々な困難な現実に遭遇しました

 

他の施設を経験したことでそれまで勤務していた施設の執務環境がいかに甘いものであったかという事を学びました。全国に点在するそれぞれの施設で日夜困難な業務に従事している刑務官であっても、一部の職員はたいして厳しくない執務環境の下で定年を迎える訳です。そういう井の中の蛙で終わる職員がいることを考えると本当にいい経験をさせて貰いました。

 

退職して一般人に戻るときの心境は実にすがすがしいものがありました。それは、日夜思い悩むことの多い日々から解き放たれた、開放感溢れるものでした。そして同時に、刑務官としての思いを十分に果たすことができなかった無念さも交錯する複雑なものがそこにありました。

 

一般人に戻ってから〇〇年。十分過ぎるぐらい休養しました。そして今、果たせなかった思いをこうしてブログに書いています。

 

私は現職当時、どうしても許せないと思うことがありました。それは退職した今でもその思いは変わりません。しかし、その思いを現職当時、何ら表明しませんでした。今、現職当時に問題にしていたことをブログで問題提起していますが、それと並んで今まで問題提起しなかったことについても今後、ブログで取り上げたいと思っています。

 

監獄法に代わる新しい法律が施行され、PFI手法による新しい刑務所もできた今、果たして私が問題提起しようとしていることが、今なお問題として存在しているかは定かでありません。私が願うことは、私が問題提起しようとしていることが過去の遺物になっているということです。

 

 DSC09231.jpg 

これから人生の進路を切り開こうとしている若い方々が、その真摯な情熱を犯罪者の更正のために刑務官という道を選ぶことを私は歓迎します。やってみようというその熱い思いはまちがいなくより良い社会を実現する大きな力となるでしょう。

 

私たちの社会にはさまざまな問題が山積しています。その問題の解決のために若い方々の真摯で果敢な取り組みは欠かせません。これからの社会を担う若い方々の中から、ぜひとも「我こそは」という熱い思いを持って刑務官を志願する方が現れることを私は願っています。

 

刑務官の職務は本当に厳しいです。刑務所や拘置所は安易な気持ちで勤まる職場ではありません。いかなる職業に就こうとも夢を実現することは容易いことではありません。しかし、矯正という職場は困難であるがためにかえってやりがいのある職場でもあります。

 

「我こそは」という熱い思いを持った若い方々が矯正の職場に一人でも多く志願され、矯正の現状がより良いものとなることを願ってやみません。 

 

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